あな

あな
I
あな
(感)
強い感動を表す語。 多く, 形容詞の語幹を伴って用いる。 ああ。

「~うれし」「~醜(ミニク)/万葉 344」

II
あな【穴・孔】
(1)(ア)くぼんだ所。 穴ぼこ。 鼻や耳の穴, 陰門についてもいう。

「~を掘る」「~だらけの道路」(イ)反対側まで突き抜けてあいている空所。 「針の~」「~を通す」

(2)ほらあな。 また, 動物の巣穴。

「熊の~」

(3)欠けたり抜けたりしているものや所。 (ア)金銭上の欠損。 損失。

「帳簿の~を埋める」(イ)必要な人員が欠けたためにできた空白。 あいた地位。 「けがをした選手の~を埋める」「舞台に~があく」

(4)隠れ場所。

「何処か~でも出来たんぢやないかね/浮雲(四迷)」

(5)一般の人に知られていない, 利益のある事柄や場所。 穴場。
(6)(競馬・競輪などで)(ア)番狂わせの決着。 配当の大きい決着。 「~を当てる」「大~が出る」(イ)穴馬(アナウマ)のこと。
(7)芝居用語。 「土間」と称する枡形の客席。
(8)墓穴。

「死なむ日は~を同じくして共に埋むべし/三宝絵詞(中)」

(9)江戸時代の流行語。 人や世間の内情や裏面。 うがち。 通(ツウ)。

「世間の~を能く知つて/滑稽本・根南志具佐」

~があったら入りたい
身を隠したいほどに恥ずかしい気持ちである。
~のあくほど
人の顔などをじっと見つめるさま。
~を開・ける
(1)金銭上の欠損を生じさせる。

「家計に~・ける」

(2)手順が狂ったり, 欠員ができたために, 空白の状態を生じさせる。

「舞台に~・ける」

~を穿(ウガ)・つ
気づかないでいる物事の内面や実情を, 暴いたり指摘したりする。

「流儀の癖と穴とを穿ちたるに非ず, ただ絵の形を似せたるのみ/黄表紙・稗史億説年代記」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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